コンタクト。

「こいつはいけませんや、旦那。これはいけない。今ならお安くしときます。勉強させてもらいますよ」
「そんなにいけませんか、私の右手は」
「えぇ、そりゃもう!今だって目玉に指を突っ込む時に手が震えるでしょう。替え時ってやつですよ」
「気に入ってるんですがね」
「……あたしも商売抜きで言わせて貰いますがね。旦那の右手はそりゃ綺麗なモンですわ。よく手入れされてる。御主人に愛されてる証拠です。しかしね、モノには寿命ってものがある。いずれ旦那の右手は自分の目玉を潰しちまう。いつまでも一緒ってわけにはいかないんですよ」
「やはり、そうでしたか」
「わかってもらえましたか。どうですか、いっそ腕ごと新型に替えちゃいましょうか」
「いや、もう少し使おうと思って」
「旦那ァ!?」
「君の言葉を聞いて、どうにも最期まで看取ってやりたくなった。……それに、こんなに私の部品を褒めてくれたのは君が初めてだったのでね」
「そりゃないぜ、旦那」






……コンタクトレンズの話です。
どうしてこんなにくっつかないんだろう。装着に30分かかるとか。
どうなんだ、俺の目玉。磁力ぐらい発生しないもんか。
唸れ視細胞、繋がれ角膜、ついでに視力も回復すればいうことなしだ。






そして悪いのは手ではなく目が悪いのが悪いという。