ダブルクロス・プレイリポ

こんなに土砂降りなのに、なぜか傘はなくて、雨に打たれる彼女を一人きりにした。
それは自分の役目ではないような気がして、
それを彼女は望んでいないような気がして、
降りしきる雨の中、キミは彼女を一人きりにした。
こんなに土砂降りなのに、なぜか傘はなくて──
キミはまだ、彼女に手を差し伸べられずにいる。


 
 Double Cross 2nd Edition
 『プリズム・プリズン』

 

 昨日と変わらない今日。今日と変わらない明日。
世界はいつもと、変わらないように見えた



■オープニング




 「それでは、今日の試験を始めるわ」
 “ラピズラズリ”神崎瑠璃絵の冷たい声がFH実験施設に谺する。作られた闘技場には、学生服の上着を脱いだ黒塚一刀と、異形の怪物たち。
 同時期に調律されたことによるシンクロニティか、ジャームは不恰好な見た目に不釣合いなチームワークで一刀を追い詰める。
 「俺なら60秒でやれる」“武器中毒者”ヨシュア・パダイユ=不機嫌を全身に纏わせて。
 「悪いけど、あいつじゃ60秒もたないよ」
 壁際に追い詰められた一刀はナイフで手首をカット/絶望/悲観/観念/あらゆる自殺志願者が願うそれらとはまったく違う理由で自らの血液を床に撒く。
 襲い掛かるジャームの群れに、血が剣山のように伸び、リズミカルに刺突。“串刺し公”ブラド・ツェッペリも真っ青の手際。
 「俺ならもっとうまく殺す」ヨシュア=更に不機嫌に。
 「悪いが」ガキには構わずに学生服を拾い上げる。「後、10分で学校が始まる」




黒塚一刀。ブラムストーカー/モルフェウス。黒化した血液を特殊な薬剤で染色して日常に紛れ込むオーヴァード。
PL:“ミスター・ジュブナイル”颯朕





〜NGシーン〜


神崎(師匠):『……ジャームのフォーメーションをαからβに移行(マジ声)』
GM:『かーす師匠、連中、もう死んでおります(笑)』
神崎(師匠)『戦闘を継続せよ(本当にやった)』






 
 過去。FHセル。ここにFHの無差別兵器は存在するという情報は、敵性組織の罠だった。佐兎志とその相棒、コウはFHの精鋭に囲まれている。孤立無援。絶対絶命の状況。
 「敵は無数。戦力差は圧倒的。味方の増援は期待できない。おまえなら、どうする?」
 考え込む佐兎志=まるでいきなり授業中に教師に質問されて途方に暮れた子供のよう。
 「なぁに、難しく考えるこたぁねぇ。俺とお前が組めば、出来ねぇ事はねぇ」
 そう言ってコウは佐兎志の髪をくしゃくしゃにした。“バスター” 墨津鉤。お互いに裏返したような“複製体”佐兎志の半身ともいえる存在。



佐藤佐兎志。コードネーム“STS”未だ自らの生き方(スタイル)に悩む若きオーヴァード。
PL:“ミス・シャーロックホームズ”仙人掌





〜NGシーン〜


アオキ:『でも“サトシ”っつーとあいつしか思いつかないよなぁ』
颯朕:『ピカ●ュウマスターな(笑)つーか、俺の本名と同じだから二重の意味で辛い(苦笑)』
仙人掌:『そうと知っていればしませんでしたのに…!』




余談ですけど、ピカチュリンって蛋白質があるらしいっすよ。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080721-OYT1T00070.htm








 未曾有の危機を未然に防ぐためには、どんな些細な異常も見逃してはならない。
 城山地区の支部長である“フラスコの中の人”レネゲイドは、そう考える。
 城山で発生する行方不明者の数が、ここ数年の平均データよりも、ほんの少しだけ多い。そんな些細な異常に気がついたのは、そういった信条の所為かも知れない。
 念のため上層部に報告をしておこうと腰を上げた所で、レネゲイドの部屋の電話が鳴り始めた。
 「すまないが夜森、電話を取ってくれないか」
 まだ小学生に見える少女──夜森が電話をフラスコにあてる。
 「もしもし、霧谷雄吾ですが、レネゲイドに確認したいことがありまして」
 「実は、FHセルリーダーである岡野淳の子飼いの部下が城山で消息を絶った、との情報を掴みまして。何か、そちらで事情を掴んではいないでしょうか」
 霧谷は調査を依頼。フラスコから移動できないレネゲイドの為に“手足”となり得る人員を派遣することを約束。
 「やれやれ正式にUGNに就職したつもりはないんだがね。……すまないが夜森、A-17,D-8番のファイルを取ってくれ」
 フラスコの中の闇が、愉快気に笑う。





“フラスコの中の人”バロール/オルクス。起源種。ありとあらゆるオーヴァードの始祖たるレネゲイド・ウィルス。
PL:“負けない男”かーす師匠




〜NGシーン(というか師匠の寝言集)〜


師匠:『……すまないが夜森、A-17,D-8番のファイルを取ってくれ』
仙人掌:『ぺたぺたぺた』
GM:『仙人掌さん、それは守宮ですw』
師匠:『夜森は小学生の女の子ですよ。というか、全てのオーヴァードはこいつの子供みたいなものなんですけどね』
仙人掌:『ぺたぺたぺたぺたぺたぺた』
みや:『素足で歩いてるんだよ、きっと(笑)』









 岡野の子飼いの部下である式部みどりが失踪して、もう1ヶ月になる。有能な彼女がいなくなり、私が行動すべき些事が増え、少々疲れている。こんな時、彼女がいれば──。そう思う瞬間が増えた。
 都築京香からの連絡があったのは、丁度そんな時だ。
 「どうやら、苦労なされているようですね」
 微笑みながら“プランナー”都築京香は言った。
 「これ以上の集中力の低下は、組織の運営に支障をきたすと、私は考えます。どうでしょう。しばらく休暇をとってはいかが?」
 相手の思い通りにさせてやるように見えて、実は自分の思い通りに事を運ぶ。
 気に喰わない方法だが、しかし。
 「わかった。通常の運営はそちらに任せる」
 「それでは、よい休暇を」
 セルリーダーである岡野淳の気に食わない方法であるが、しかし。


 ──FHは深刻な人材不足なのだ。



岡野淳。ブラックドック/モルフェウス。FH工作員。コードネームは無し。
PL:“シナリオバランサー”みや



NGシーンも無し(笑)









 「それで、その依頼は楽しめるのですか?」
 “時を止めたる人”朱亢は、椅子の上でガタガタ震えながら爪を噛んでいる男──“ディアボロス”春日恭二に言った。
 「この俺が楽しんでいるように見えるのか!あいつは……危険だ。柚木瞳って女はFHの害を及ぼす。必ずな」
 神経質に喚き散らす春日恭二。──こいつは、ダメだな。まぁいい。私は今と、未来の私が楽しめればいいのさ。




“時を止めたる人” 朱亢。エグザイル/ブラムストーカー。伯爵病。外見年齢は十代の少年といっていい風貌だが、実年齢は既に老齢の域にさしかかっている。





〜(オープニングまるっと)NGシーン〜




GM:『っていうか一昨日いきなり帰って来るってゆうんだもんなぁ、OPは適当だよ。アクト中は適当に動いてくれ』
颯朕:『元々存在しないPC5だからな(笑)』
アオキ:『それはいいんだけどさ。セッション中に言うのもなんなんだけど、
    ……このエグザイル、バロールに変えていいですか?




PL:アオキ。永遠のPC5である。