シュガーコート。

世界は回転しながら上昇するメリーゴーラウンドのようだ。



地上の引力に負けぬようエンジンから運命向心力の力強い螺旋の力を生み出して空に漕ぎ出していく。

ガソリンには私の童話のようなユメから、無償のエネルギーを汲みだして利用しています。
このメリーゴーラウンドは第三者から完全に独立して飛行することができます。
目の眩むくらい場所に向かうために消費された私の一部は、螺旋の力で働く運命向心力に次々と遠心分離されていく間に、苦みや痛みを伴ってしまいました。
私の大切なはずであったものは、糖衣(シュガーコート)に包まれて落下していきます。
私の苦みや痛みは、シュガーコートに包まれて空中に排気されます。
そうしないと空はいつまでも私のユメを呑みこんではくれないからです。



そうして、いつか、私さえも糖衣に包まれ木馬から振り落とされるだろう。
空を泳ぐ回転木馬を眺めながら、思う。
いつしか私は、目に映るすべての景色に爪を立て威嚇するようになっていて。
最後にはこうして傷だらけの風景の中に放り出されてしまった。
空中メリーゴーラウンド、シュガーコートのバラスト、私と同じ加速度で落ちる光粒。
そこは、確かに、私の世界だったけれど。



ようやく今、私の光景は柔らかく映ることを赦したのだ。





一個の単語からドラマが始まることだってあるさ。次のお題はキュビーロップで。